【 チョコレート嚢胞 】入院・手術

役に立つかもしれない

前回、腹巻き記事を書きました。そのきっかけがこの チョコレート嚢胞 だったわけです。発覚から手術まで1ヶ月以上かかりました。どこの病院も混んでるようです。このネタは面白おかしく書けるか微妙ですが、記憶が薄れる前にこんな入院生活でしたよと書いてみます。

   

おうちリス

大前提として、おうちリスは採血で倒れるレベルのビビりです。手術を受けるにあたって不安を抱えてこの記事にたどり着いたあなた、きっと大丈夫ですよ。

  

  

今は、退院してきて1週間の自宅安静期間でこの記事を書いています。長くなっちゃいますが入院前の発覚から書いていきますかね。

  

~プロローグ~卵巣の腫れが発覚

生理痛が激痛

婦人科を受診したきっかけは、生理痛の激痛で初めて吐いたからです。

血が出始めた初日は特に生理痛はなく、2日目朝ごはんを食べて用を足したあとにいきなりフルスロットルの下腹部痛に襲われました。痛みに波もなくひたすら激痛。呼吸が早く浅くなる。横になるとなぜか酷くなるので座る。よく「痛みでのたうち回る」という表現がありますが痛くて身動きができない。「こんなに痛くても気絶できないんだなぁ」と思いました。そして気持ち悪くなってきてなんとかトイレへ。吐いたらだんだん痛みがマシになる。便の方はなぜか出したいのに出しづらい。お尻の奥が痛い(←卵巣が腫れてるからな)しばらくトイレにいたあと鎮痛薬を飲む。そしたら楽になってきて布団に横になった。安らぎタイム。

  

お昼になり、食欲はなかったけれど少し食べてみたらまたフルスロットル。また少し吐く。そしておさまってくる。おかしい。何が起きてる。この時点では「生理痛というより盲腸なのでは?」と思っていた。

  

動けるようになった時点で病院に行くと決め、日曜日だったので休日当番医に行った。家族に車で連れて行ってもらう。ちょうど内科の担当が婦人科も標榜している病院だったのでぴったりだと思った。夕方頃受診。腰を折り曲げないと歩けない。病院で検温したら37.7℃?あって「感染性胃腸炎でしょう。今多いんですよ」と言われる。内診はなし。生理中は基本内診しないものだと後で知る。「胃腸炎ってこんなに痛いのか」としっくりこないままお腹系の薬を一式もらい帰った。

家に帰って薬を飲んで、おかゆも少し食べて、お腹はずっと痛いけれどもう激痛は襲ってこなかった。時たま咳をすると悲鳴が出るくらいお腹は痛かったけれど1週間くらいかけて治っていった。

  

  

近所の婦人科を受診

腹痛はおさまった、おさまるということは盲腸ではないのだろう。でもなんか胃腸炎ではなかった気がすると思い、婦人科を受診することにした。初めて行く病院である。過去に行ったフランクなおばさまがやっていた産婦人科は閉院してしまい、別の女医さんの産婦人科は予約が全く取れない状態だったのでよく知らない近くの婦人科に行ってみた。この何気ない選択が良かったと思う。

  

午前中オープン時間の直後に行ってみたらほぼ待ち時間なく診てもらえた。「いつもと違う生理痛があったこと、便が出しづらいことなど」を告げ尿を採取してから内診。自分の横にモニターがあってリアルタイムで見られる。超音波の機械を入れて先生はすぐ「卵巣が腫れてる。かなり大きい。これはうちじゃ診られない」と。頭の中が真っ白になった。モニターに映し出されてるのは画面いっぱいに腫れているらしい卵巣。正常の映像が私にはわからない。直径を測ってくれて10cmを超えていることを教えられた。「赤ん坊の頭くらいある。通常の卵巣は親指大くらい」「大きすぎてもう一つの卵巣は見えない」「頸がん検診を受けていればもっと早く見つけられたのに」「〇年前じゃ受けていないのと一緒」と言われて「はい、はい、すみません」としか言えない。フランクな女医さんの病院が閉院してから検診に行っていなかった。

  

「紹介状を書くから。一番いいのは〇〇病院。2番目は△△病院…」と市内の総合病院を告げられる。まだ頭が追い付かなくて、どの病院も受診したことがないので何がいいのかわからず、1番のおすすめ病院をお願いした。さっきまで厳しい印象だった男の先生がその場で病院に電話をかけてくれて、「〇月〇日?それじゃ遅いよ。もっと早くできないの?私が直接話すから□□に繋いで」と私が待合室に移動してからも一生懸命話をつけてくれている声が聞こえた。ありがたいと同時に「そんなにやばいやつなのかな」と涙目になってくる。

  

また診察室に呼ばれて「〇〇病院の婦人科部長の××先生に診てもらえるようにお願いしたから。とてもいい先生だよ。たぶん手術になると思う」と紹介状の入った封筒を渡された。もちろんそのいい先生は初めて聞く名前でピンとこないし、初対面の患者のために予約がいっぱいなところを1週間も早めて入れてくれて感謝すべきところなのに私の頭の中は「手術」というワードでいっぱいだった。

予約日にキャンセルが出るかもしれないから8時半には行くように言われて、その病院を後にした。初めてのエコー写真(ただし、おっきな卵巣)とすごい××先生に会える大事な封筒を持って。

  

   

総合病院で検査

次は検査編です。「ただの検査じゃん」と思うかもしれませんが採血すら苦手なおうちリスからしたらがんばりの連続だったんです。適当に飛ばしていただいて構いません。

  

紹介していただいた先生に診察してもらう

発覚してから8日後に総合病院の予約の日でした。8日でもやっぱり長く感じましたよ。卵巣の腫れにもいくつかの種類があることがわかり、ググって悶々としました。そして親戚に婦人科系の病気の多いことも今さら知りました。わかってるだけで7人もいました。いや、弱すぎるだろ。おっぱい系はなく、みんな卵巣とかの下腹部、不妊系。自分でもお腹がいつも冷たいなとは思っていました。人より気をつけなくてはならない家系でした。

  

ほいで紹介状を渡して外来で待ちます。人が多かった。産婦人科の先生は6人いるようですが次々に来る患者を延々と診ていくんだなぁと大変な仕事だと思いました。

余裕の出た今ならわかりますが紙に質問とか要点をまとめて先生に見せながら話した方がいいです。なかなか会えない社長みたいなものですから絶対聞きたい箇所をおさえたプレゼンみたいな感じで伝えないと。社長の言葉もしっかりメモしないと。こっちも平常心ではないですし。ほんと、今だから言えるんですけど。

  

お医者さんはコミュニケーション能力がものすごい必要だなとも感じました。私のようなビビりに検査を優しく誘導したり、説明したり。紹介してもらえたS先生はおもしろい先生でした。やっぱユーモアはこの世で一番最強ですよ。診察を待ってる間はしんどかったですが先生に会ってからは少し気が楽になりました。エコーで診てもらい、やっぱり11cmくらいあること。「あぶらのようなものかもしれないし、皮様嚢腫かもしれないし、月経痛があるからチョコレート嚢胞かもしれない」と。後日のMRIの予約を入れてもらい、この日は腫瘍マーカーの血液検査を受けて終了。

  

さらっと書きましたが採血っすよ。

  

血管迷走神経反射

採血や注射で気分が悪くなる原因がこれらしい。

血管迷走神経反射とはこの副交感神経の働きが不適切な時に起きてしまうものです。通常、哺乳類はストレスがかかると交感神経の働きが活発化します。しかし、ストレス時に副交感神経の働きが活発になることがあり、これを血管迷走神経反射といいます。 (略)

さて、血管迷走神経反射の病態について簡単に説明してみます。発症する状況はストレス下が多いです。具体的には過労、脱水、長時間の立位、起立、空腹、痛み、採血、恐怖などがあげられます。特に、寝不足気味で長時間満員電車の中で立っているという患者さんが初診することが多いです。また腹痛でトイレでうなった後に発症する方も数多くいらっしゃいます。献血ルームなどでもよく起きるようですが、さすがに献血ルームの医療者はこの病気について詳しいことがおおく、献血ルーム経由の患者さんが私の外来にいらっしゃったことはありません。

血管迷走神経反射についてより

わりと大人になってから「血管迷走神経反射」という言葉は知りました。小学生の頃から注射したあとは気分が悪くなるという自覚はありましたが気持ちの問題かと思っていました。針が血管に入ってくると体の中で何か発動しちゃうようです。血圧が下がっていく体感があります。原因がわかってからはベッドに寝た状態で採血してもらっています。看護師さんには「お手数おかけしてしまいすみません」と毎回情けない気持ちでお願いしていますがみなさん優しいです。まぁ倒れたり吐かれたりするよりはいいですね。

  

ただ、私の場合寝た状態で受けたとしても起き上がれるようになるまで15分以上必要なので、なんとかならんもんかとググってみたらいい解決策を見つけました。

日本赤十字社が献血の際に推奨しているレッグクロス運動という、ただ足をクロスして力を入れるというものです。これを採血の日に試してみたら、血の気が引く感覚がなくて起き上がって採血室を出るのに10分かからなかった気がします。おすすめです。

  

  

ドキドキのMRI

そして上記から9日後に、予約したMRIの日でした。閉所恐怖症ほどではないにせよ、動いてはいけない状態というのと、未知の検査だったのでドキドキしながら病院へ。

結論から言うと大丈夫でした。30~40分くらい固定された状態でお腹のあたりを撮られつつゴウンゴウンって感じの音を聞きながら横になってるだけ。 MRIの部屋の天井に青空が描いてあるのもなんかよかった。 S先生には「前日緊張して眠れないだろうから、中で寝ちゃいなよ。僕はいつも寝ているよ」と言われましたがさすがに眠れず。「私はだんだん眠くなーる」と頭の中で唱えて目を閉じていただけでした。あと、朝食を食べてはいけなかったので「お腹空いたなー」と。

  

MRIに入る前はお着換えコーナーで検査着になるんですが金属類がアウトです。化粧もアクセサリーももちろんつけていかないのでブラジャーを外すくらいだったんですが、ふとパンツを見るとキラキラしている。。空腹状態と緊張で頭が回らない私は、「これは金属?脱がないとなの?」ととりあえず更衣室から出て、案内してくれた爽やかお兄さんには聞きづらく、何か作業していたおばさまにグイっと自分のパンツを見せながら尋ねたのでした(笑)親切に「これはたぶんラメの糸だから大丈夫よ」と。早とちりしてノーパンにならなくてよかった。検査の間中スースーするところでした。MRIの部屋にいた技師さん?も若い男性2人だったしパンツ履いてないのはさすがに。。

この日は診察はありません。

  

  

術前検査

MRIからさらに10日後。手術を受けるにあたっての基本的な健康度?みたいな検査です。全身麻酔に耐えられるかどうかか。血糖コントロールができているかが大事なようなので朝ごはんは抜きです。この日の採血は長かった。腕のところ怖くて見られないのでわかりませんでしたが後日結果の項目の多さにびっくりしました。看護師さん曰く5本くらい採ったのでは?と。マジすか。事前に知らなくてよかった。そのわりにレッグクロス運動のおかげかこの日も復活は早かった。

  

あとは尿検査、心電図、出血検査、胸部レントゲン、肺気量測定だったかな。地味に身長が伸びていたことに一番感動しました。154.2cm(大学の時)から155.5cmに!最後に測ったのが具体的にいつなのか思い出せませんが20代から伸びるものなのか?嬉しい。

肺気量は合格点ぎりぎりと言われました。全身使って結構頑張ったんですがね。呼吸浅いんでしょうね。

朝一に行って、検査ごとに待ち時間もあって、すべての検査結果が出たところでお昼ごろ。お昼を食べにいったん病院を出てから、午後に全ての検査結果をふまえての先生の診察です。

  

吉野家の豚丼うまうま。

  

午後の診察までの待ち時間も長かった。でもS先生がいる診察室は患者さんの入れ替わりがずっとあって、「先生お昼ご飯食べられていないんじゃないの?」と心配になりました。

  

そしていよいよ呼ばれて説明を受けました。この説明には家族も連れてくるように言われます。

衝撃だったのがMRIの画像でした。ウエストの断面、真ん中に腫れた卵巣がほぼ占めていました。腫れた卵巣に押しつぶされて腸が見えない。この頃お腹が痛いなどの症状が落ち着いていたため、改めてことの重大性を視覚から認識した私は一気に元気がなくなりました(笑)腹腔鏡手術の方法や、開腹になる場合、輸血をする場合があるなど説明を聞きながらもあまり入ってこない。一番心配だった悪性の可能性を尋ねるとそれは画像に影がないことや血液検査の結果から低いとのこと。少しでも悪性が疑われるときは腹腔鏡は初めから選択しないことを聞きました。とりあえず安心。

  

このあと入院サポートセンターで用意するものなどの説明を受けました。薬や食べ物のアレルギーに関しての聞き取りなんかも。

      

   

入院初日

やっと入院編に入りますー。術前検査から15日後です。

この日は10時に直接入院サポートセンターに行きます。そこでまず検温。「風邪をひかないようにしてくださいね」と前から言われていました。今は新型コロナで余計にピリピリしています。まさかの37℃超えてました。「37.5℃超えていなければOKです」と。(退院日以外なぜかずっと37℃以上だった)

そして担当の看護師さんが迎えに来てくれて腕に患者識別のためのバンドをつけてもらいエレベーターで病棟へ向かいます。具合の悪いときは一人でいたいおうちリスは気を遣わなくていい個室を希望していました。必ずしも空いているわけではなく2人部屋になる可能性も言われていましたが無事個室に入れました。空いている個室多かったです。婦人科病棟は他の病棟の個室より割高ですが、今思えば婦人科病棟は女性しかいないし、基本そこまで具合の悪い患者さんもいないし、毎日命が産まれていて明るい雰囲気でよかったなと思います。

  

部屋にはトイレもシャワーもテレビも冷蔵庫もあります。婦人科病棟のフロアなので出産で入院している患者さんが多い感じでした。窓からの眺めを期待していたらまさかの北側で機械が置いてある場所で空もよく見えず。このせいか翌日少し困ることに。

  

特に追加検査はなく、看護師さんや薬剤師さん、手術室スタッフさんや麻酔医さんが順番に部屋に説明に来てくれます。

お昼ごはんは普通に食べていいです。

初日 お昼ご飯
初めての病院ごはん

「え、おいしい!」もうこの一言。「部屋にあったかいご飯が運ばれてくるとか最高かよ。ただのホテル生活じゃないか」にんじんのグラッセはすみません、少し残しました。あの料理だけはなぜわざわざ甘くするのか謎。豚肉のおかず、なんだかわかんないけどおいしい。ごはんが進むやつ。

  

14時頃また検温と血圧・脈拍を測って、看護師さんにへそを消毒?してもらってからシャワー浴びてよし。15時頃部屋でシャワー浴びて髪も洗う。

  

昼食のあとは飲みものだけ翌朝の8時までOK。

  

下剤服用

そして20時頃また検温・血圧・脈拍。下剤200mlを渡される。おうちリスがまず心配していた第一関門。とにかく水分を摂るのが苦手で、一日に500mlも飲めればいい方。汁物も少しでいいし、出先で飲み物を出されてもほとんど手を付けられなくて申し訳ない人生。しかも甘い飲み物は余計に飲めないので下剤(変な風味のあるスポーツドリンクって感じでした)も半分くらいでギブ。看護師さんに怒られるのを覚悟して話したら、とりあえずしょうがないけど出なかったら明日浣腸すると言われました。浣腸で全然いいです、飲めなくてすみません。。

  

21時に消灯。さすがに眠くならなくてテレビ見たり、スマホ見たり。22時半頃寝るモードに入る。いつの間にか寝たようだ。0時。また寝る。2時頃、なんだかお腹がぐるぐる。トイレ→うとうと→トイレ→を6時まで繰り返す。病院の布団て薄いんだなと寒さを感じながら(←ナースコールで頼めば分厚い布団を持ってきてくれることを知らなかった)寒いし寝付きそうになると下すし、で疲弊してくる。6時半頃検温やらでまた看護師さんが来て、十分出てるから浣腸はしなくてよくなる。逆に全部飲んでいたら?と下剤の効果に恐れおののく。「寒いでしょ?」とここで分厚い布団を持ってきてもらう。

  

  

手術日~ チョコレート嚢胞 ~

点滴が入らない地獄

術後よりこれが一番しんどかった。採血ごときで血の気が引いてしまうのに、点滴用の太い針(絶対見たくない)を2回失敗。3回目の頃には早めに点滴準備を始めたのに本来の点滴開始の9時をオーバー。看護師さんが計3人来る事態に。

血管が細いのと、身体が冷え切っていて血管が逃げてしまう?、針を刺しても腫れてきてしまうと。「身体を温めましょう」と布団をかけてあったかい飲み物を持ってきてくれたり、カイロのようなもので腕を温めたり。本当に手のかかる患者(笑)でも痛かった。あの針で血管の中を押し進める嫌な痛さをしっかり3回。寝不足だしお腹ごろごろですっかり体の力は出ないし「こんなんで手術受けられるの?」と少し泣きそうになった。血圧が低いのも関係しているのか?上が70後半~80台、いいときでも90台なので。

  

なんやかんや点滴を開始できてひとまずほっとした。これまでの人生で点滴をしたのは1回しかなくて、あの時一発で入れてくれた個人病院の看護師さんは超すごかったのかもしれない。それとも点滴用の針にも種類があるのかも。画像検索したくない。

あ、朝起きた時点でもうパンツ一丁に手術着弾性ストッキングに着替えています。手術の予定時間は15時でした。前の手術がおすともっと遅くなるかもしれないと言われていて、手術時間までわりと暇な時間。絶飲食なのでトイレに行くくらい。

  

筋肉注射も痛い

手術開始1時間前に筋肉注射を打ちます。ナースコールで「これから筋肉注射を打ちに行くのでトイレを済ませておいてください」とお知らせ。筋肉注射後はベッド上安静で起き上がってはいけないので。

  

昔一度尻に筋肉注射を打たれたことがあって全く痛くなかったので、「是非尻に打ってほしい」とお願いするも肩でした。場所を選ばせてくれた過去の注射とは別物だから?

「痛いですよー」と言われて刺されたら本当に痛かった。刺されながら「いーたーーいーーっ」放心。「想像以上の痛みでした」と謎の感想を述べ、まぁ点滴と違って1回で終わったしいいかと。針が刺さりっぱでもないし。もう痛いのはこれで終わりだろう。

  

「起き上がると気分が悪くなったりするかもしれないので横になっていてくださいね」と言われ1時間くらいテレビを見ている。個室はいいのぉ。

  

手術へGO

そして時間になり手術室に呼ばれる。私はベッドに寝たままガラガラと運ばれていく。天井が流れていくやつ。「ドラマで見る視界だな」と思った。家族にもちらっと会える。

  

手術前室に入ると病棟の看護師さんから手術室のスタッフにバトンタッチ。患者の取り違えを防ぐため、名前や手術部位を聞かれるので答えます。そして手術室のベッドに自分で移動。2本目の患者識別のリストバンド、心電図モニター、血圧計、酸素クリップなどがつけられます。手術室の印象は、「人がたくさんいるなぁ。なんか雰囲気が和気あいあいとしてる。ここがこの人たちの毎日の職場なんだもんね」って感じでした。オルゴールが流れていて怖さとかはあまり感じず。筋肉注射の薬の効果かもしれません。S先生を探すもわからず、「あれ?誰が手術してくれるんだろう?」と思いましたがチームでやってくれるみたいですね。

  

麻酔担当の先生が頭上からヌッと挨拶してくれて、口に酸素マスクをつけて、点滴から麻酔を入れてもらいます。よく数を数えるとか言いますがそれはなく、麻酔を入れ始めたらわりとすぐ意識がなくなったと思います。

  

全身麻酔情報をググったら夢もみずワープする感じと書いてありましたが、私は普通に夢をみました。夢の途中で名前を呼ばれて意識が戻ってきて、あ、手術受けていたんだっけと思い出しました。なので第一声が「夢みてたー」でした。

  

気管に入っていた酸素の管が抜かれる感じがして、またドナドナとベッドごと自分の部屋に運ばれていきます。

  

震えが止まらない

部屋に戻る途中から体がガタガタと震えだしてびびる。裸で長時間手術を受けているのであるあるらしいですが、自分では寒いという感覚はなく意思に反して激しく震えるので、「ショック状態なのでは?」と不安になりました。呼吸もうまくできないし、傷があるのに勝手に体に力が入って震えて痛いよ。

分厚い布団をかけてくれて体が温まるのを待つ。まじで冷えてるせいだとは自分では思えず、「これ大丈夫なの?」とガタガタしてました。エクソシストの悪魔にのりうつられた人じゃんと思いました。エクソシスト状態で術後の採血をされる。それどころじゃなくて怖さ無し。

  

しばらくしたらちゃんとおさまり、ここでやっと本当に冷えていただけかと納得。落ち着いた頃には家族は部屋におらず。「くそコロナめ」本当に今回の入院は時期が悪くて、術後の15分以外は個室であろうと家族さえ入れません。家族以外の面会はラウンジでもだめです。「休み取ろうと思う」と心配していた彼も他人じゃんね、と入院前と退院後に会うことに。

  

しばらくは寝たまま

落ち着いてくると、おしっこのカテーテルが入っていること、「お腹の中を洗うからね」と言われていたので左わき腹にドレーンが1本、酸素マスク、血栓ができないように脚にマッサージ機のようなものがついているのを認識。点滴からは早速痛み止めを入れてもらって、特に痛みを感じることもなく。気になったのは口の中がかぱかぱに渇いて気持ち悪かったことくらい。酸素ってなんか臭い。酸素投与が終わると、「口の中が気持ち悪いですー」と口の中をゆすがせてもらいました。これでかなり楽に。しばらく起き上がれない状態なので、看護師さんが枕元にテレビのリモコンとスマホを置いてくれました。家族や彼にメールして一息。

  

手術した傷は痛くなかったけれど、腰は痛かったです。手術の時にお腹にガスを入れて頭を下にしてっていう体勢を長時間のため、これもあるあるみたいです。仰向けに寝てると腰が痛いけど、寝返りができないので看護師さんがクッションのようなものを背中に挟めるようにして少しでも腰が反った状態を楽にしようとしてくれました。それでも痛くて一晩よく眠れずうねうねしていました。術後は看護師さんが何度も点滴を見たりで部屋に来てくれます。血栓を防止するためのマッサージ機みたいなのがずっと交互にウィーンウィーンと脚を揉んでるのが心地よくて「これ家に欲しいな」 と思いました。どんな機械なのかは見えず。

  

  

手術翌日

尿道カテーテルがまず抜ける

さて朝がきて、カテーテル入ってるのにおしっこ漏れそうな膀胱いっぱい感でナースコールを押しました。おしっこしたいのに出し方がわからない感覚。普通カテーテルが入っていると勝手に出るらしいんですが、私は出が悪かったみたいで、そういえば昨夜から何度もカテーテルを確認されチクチク「いてて」になっていました。

またいじってもらってチクチクして少しずつ出た、と思う。感覚はないけど膀胱が楽になった。

  

そしてまた採血されて、うがいをさせてもらって体を拭いてもらったり、顔を拭いたり。その時にカテーテルも抜いてもらいました。入院前に、最近下半身麻酔で手術した親戚のおじさんが「昔は痛かったけど今回はなんかぬるっとしたのを出してから抜いたから全然痛くなかったよ」と言っていたけど私は痛みを感じました。看護師さんも「ちょっと痛いよー」と予告したし。まぁすぐ引く痛みだったので別にいいです。尿道の長い男の人専用の器具だったのかもしれない。

カテーテルが外れた段階で手術用の服から自分のパジャマに着替えさせてもらえる。手術着がゆるくておっぱいぽろりしがちなスースー寒い状態だったからTシャツとか着られてあったかくなった。

  

初めてのトイレは看護師さんを呼んで、ここで初めて起き上がります。くらくらしないか少しずつ。ナースコール押してから看護師さんが来る少しの間でも漏れそうになって点滴につかまりながらトイレに向かい始めました。個室なのですぐそこだし。めっちゃ出て爽快でした。カテーテルと違って出てる感がすごい。1回終わったあとの2段階目がありました。たぶん私は病気発覚前から頻尿の自覚はあって、かなり膀胱が嚢胞に圧迫されていたようなので少しずつ潰されていた膀胱も復活していくんだと思います。

  

漢方開始

朝からの水分摂取OKと共に昼前から漢方の服薬が始まります。ここからは術後の腸閉塞を予防するためのカモンおならタイムに入ります。開腹手術と違って、腹腔鏡手術は手術の間も腸の蠕動運動を止めないので回復は早いですが多少腸は眠りについてるので動かしてやる必要があるそうです。

  

そうすぐには出ないおなら。お昼は流動食でした。甘酒みたいなあっまい汁と、昆布茶みたいな汁、あと紙パックのジュースが2個だったかな。昆布茶はおいしくて全部飲んだけど甘酒はもとから嫌いだし、半分だけ食べられた。点滴で水分がガンガン入ってくるからかのどは乾かなくてジュースはとっといて少しずつ飲むことに。

  

お腹が張って痛い。いろんなポーズをとってみたりするけど出ない。さすがに通常のヨガみたいなポーズは無理だし。廊下も少し歩いてみたけど胸の方にせりあがってくる感じがしてしんどい。「お腹が痛いです」とナースコールを呼ぶも「ちょっと待ってくださいね」と言ってから来ない(笑)しばらくしていちおうもう1回呼ぶも来ない(笑)看護師さんは激務だろうし陣痛に比べたら私の腹痛なんて軽いもの。結構経ってから来た看護師さんは点滴の交換のために来た人だった。この看護師さんは親切で尻にウォシュレットを当てて刺激するといいとアドバイスをくれた。やってみても私にはだめだったけど。ただおならが出なくて下腹部が痛いだけなのか、手術した内部が痛いのかわからないけど痛み止めを飲んで少し楽になる。もっと早く飲めばよかった。

  

夜は3分粥でした。入院前はおかゆだけかと思っていたけどおかず付きじゃん!と嬉しかった。食欲があまりないのでなるべくおかずばかり食べた。そしたら食べている最中に待望のおならがスーっと出る。かなりほっとした。やっぱり固形物を食べると違うよね。

   

夕飯後ウンの方ももしかしたらとトイレで踏ん張るも出ず、、かわりにドレーンから血がぴゅーっと出てビビる(笑)踏ん張るのはやめておこうと思った。

  

予定表ではこの日にドレーンも抜けるようでしたがまだ血が出ているからか特に何も言われず寝る。21時消灯。

  

点滴も外れる

タイミング忘れましたがこの日に点滴も抜けました。抜くときは痛くないのね。何か不測の事態でまた点滴を入れなきゃってもう1回刺されるくらいなら刺しっぱなしでもいいと思いました。「抜いちゃうのか。もう点滴は本当に終わりなんだよな?」と疑心暗鬼になりながらも、点滴抜けたら寝やすくなりました。この日はスムーズに寝られた気がする。

   

  

術後2日目

この日も朝の検温・血圧測定から始まり、顔や体を拭くあったかいやつを渡されて自分で拭く。

  

朝ごはんは5分粥です。安定のおかず付き。あんまり食欲ないせいか写真撮っていなかった。

  

漢方に加えて抗生物質鉄剤も昼頃から。鉄は術後の血液検査で貧血になっていることがわかったみたいで処方されました。貧血と言われれるのは人生初。

術後わりとすぐ看護師さんに「輸血はありました?」と聞いたら「大丈夫ですよ。出血はヤクルトくらいでしたから」と聞いて安心してたので意外だった。まぁドレーンからもまだ血が出ているし膣からも出血しているし、そんなもんか。

  

お昼は全粥でした。

病院ごはん
写真を撮る余裕が出てきた

またおかず中心に食べる。味のしないおかゆ苦手←わがまま。おかずはあいかわらずおいしい。

  

退院診察・創部確認、ドレーン抜去

お昼終わってしばらくしてからかな。(午前中だったかも)退院診察で処置室に来るように呼ばれる。S先生ではない若い先生。脚開く椅子に座ってエコーで確認。私にモニターは見えないから病気発覚時から知りたかった正解の映像は見られず。「問題ないですねー」と。あとなんか膣消毒して、「ドレーンついてるんだっけ?」とドレーンも抜くことに。

仰向けに横になって「抜糸していくので少しチクチクしますよー」とはさみで?切ってからいざドレーン。「痛いですよー」と(また痛いやつかい!)と深呼吸してたら、ポンっと痛いというよりお腹のガスが動いた感じがしました。お酒の栓抜いたみたいな感覚。「痛いというより空気が抜けた感じ…」と言ったら「そうですか?僕やったことないからわかりませんけどねー」と。そりゃそうか。男の先生は卵巣ないもんな。しかしなんかノリが軽い(笑)

テープを張り替えてもらって終了。

  

シャワーOK

すべて外れたのでシャワーに入ってよくなりました。体力が落ちているし傷もあるし迷ったんですが前髪がバーコードになってきていたので、入ってみることに。座った姿勢のまま髪と顔と体はお腹を避けて洗いました。

ドライヤーをして、ドライヤーを返して来たら疲れたので、刺し子をベッドの上でずっとしていました。昼寝したりはしなかったなぁ。

  

夜ご飯も全粥です。

病院 夜ご飯
甘い豆が身に染みた

まだ食欲はいまいちでした。お腹張っているせいですかね。横になるとボコッと中で動く感覚が不快です。 これは退院後もしばらく続く。立つと肩が痛い。

  

手術後説明

19時頃にS先生が病棟に帰ってきたので手術後説明を受けることになりました。ナースコールでナースステーションに呼ばれる。

S先生めっちゃ疲れてそうな感じでした。取り出した嚢胞の写真とか、手術中のお腹の中の写真で説明してくれたんですがそういう写真苦手であまり見れず、説明が頭に入ってこない。「卵巣って白いんですね」くらいで、そういえば今改めて考えると自分の手術がどんな内容だったのか全然わからない。かなり大きかったけど癒着とかなかったのかな?質問しろよダメ患者。どうもまじめな説明の時に思考停止状態になってしまうらしい。

2~3割の人が再発すること、偽物の生理を起こす薬を飲む選択や、妊娠を望むなら2~3回生理が正常に来たら避妊しなくていいかもしれないなど、そのへんはメモったので覚えている。

次回診療の予約の紙をもらって終了。

  

部屋に戻って、そういえば体の手触りがぶつぶつしてることを思い出し、「手術の時にテープとかにかぶれたのかな?肌弱いし」くらいに思っていたことを看護師さんに伝えるとわりと反応が大きくて「先生に診てもらいましょう」となる。

またS先生のもとへ。「(手術の)写真見たからじゃない?」と冗談を言われたが薬疹疑いで、食後に飲んでいた抗生物質が廃棄になる。漢方と鉄剤もぶつぶつがおさまるまでは中止。

  

部屋に戻ってググったら薬疹はその薬へのアレルギーらしく同じ薬はもう使えないことを知る。「え、意外と重要なやつじゃん。抗生物質ってあとどんな時に使うんだろう?」と心配になる。改めて体をさわると背中の方までぶつぶつ。特に赤くも痒くもないけどアレジオンを飲むことになった。

後日。退院後家でシャワーを浴びて体があたたまると痒くなってきた。それも徐々に改善。

   

ドレーンも抜けてさらに寝やすい。寝返りはまだうてないけど。

  

  

退院日

昨夜も消灯後自分のタイミングでころっと寝て、朝の6時には起きだす。朝ごはんを待つ間に洗顔して、久しぶりに眼鏡ではなく入院時につけてきたコンタクトレンズを装着。髪をとかす。「そう、私は今日ここを退院していきます(情熱大陸-♪-)」と謎のやる気で身支度をしていく。

  

看護師さんが顔を拭くあったかいやつを持ってきてくれたけど顔も洗えたし昨日シャワーも浴びれたし「大丈夫です。ありがとうございます」とはきはきする。「この人、急に元気になったわね」ときっと思われた。でも元気になったことで看護師さんは嬉しそうだったと思う。

  

朝ごはん(納豆だった)をわりとちゃんと食べることができて、その後初のお通じもあった。下痢だけど。でも嬉しかった。私の腸はしっかり機能を取り戻している。

  

朝ごはんを終えて、パジャマから久しぶりに普段着に着替える。ブラジャーがなんだか窮屈に感じた。でも病人っぽさがなくなった気がする。

  

薬剤師さんがこれからの薬の説明と入院中に使った薬の一覧のシールをお薬手帳に貼ってくれた。あとから薬局に薬疹疑いのことも含めて確認に行かなければと思っていたので助かった。

  

総回診?

部屋中の荷物を詰め終わって、「そろそろ帰れるのかな」とテレビを見ていたらナースコールから「婦人科の先生方による回診がありますので患者さんは部屋にいてください」とお知らせが流れる。

「えっ白い巨塔?(見たことないけど)退院日にまさかの面白そうなイベント」とテレビを消してそわそわしながらベッドに正座して待つ。

  

結構経って、廊下から「(私の苗字)さんです」と聞こえ、ガラッと先生たち7人くらいが入ってきた。S先生が先頭である。なにこれかっこいい。今日の先生は笑顔で疲れてなさそう。私がもう私服で、部屋の戸棚が忘れ物がないように全て開け放ってあるのを見て、「今日退院ですね」や、この部屋の日当たりの悪さ(笑)を「建ててから気づいたの、ごめんね」など他愛ない話をされて帰っていきました。他の先生たちも笑顔で、ほのぼのとした時間でした。

  

ナースコールで看護師さんを呼んで、部屋の忘れ物がないか確認してもらい、患者識別のバンドを切ってもらって、お会計をしたら終了です。

  

おうちリス

いやー書いたら長かった。術後の症状の話も私自身が気になっているので、また書くかもしれないし書かないかも。でも傷は痛くないし、お腹の張りの方が痛い感じで、いい手術をしてもらったなと思います。へなちょこなおうちリスでも予定通り退院できたし、とりあえずひと段落。少しは強くなれたかな。ではまた。

  

どうでもいいですが、この入院生活を終えて「ナイスバディになりたい」という願望が出てきました。貧相な体で本当にすいません、美しいボディなら手術する方も少しは楽しいだろうに、と悔やまれます。

  

そして当然のことながらできればもう入院・手術はしたくないですね。再発しないように経過観察は必須です。S先生を紹介してくださったO先生にもきちんとお礼をしに行きます。

   

  

続きを書きました。退院後の話です。

【卵巣チョコレート嚢胞】術後と自覚症状